概要

　近年、太陽光発電、マイクロガスタービン発電、⾵⼒発電など分散型電源が普及拡⼤し、連系される配電系統の電圧変動、⾼調波等の“電⼒品質”が益々重要性を帯びてきています。
　従来、これら諸量を測定するには、測定器の設置場所の確保や機器設置における防⽔措置等の様々な対応が必要であり、作業が⼤変⼤掛かりなものとなっていました。
　⾼・低圧計器箱内や分電盤内等へ容易に設置でき、かつ分散型電源等の電⼒品質への影響を的確に測定できる⼩型で豊富な機能を備えた「多機能型データロガー」を東北電⼒ネットワーク(株)と共同開発しました。

特長

• 電圧、電流、電⼒量、⼒率の潮流⽅向別に測定できます。
• 周波数、⾼調波（最⼤13次）の測定、電圧と電流の波形も記録します。
• 5A〜250Aの電流容量に対応可能です。
  （電流容量に合わせて4種類のクランプ式CTを使用します。CT定格はCTを接続することにより⾃動で認識します）
• 電圧や電流のしきい値を設定して、しきい値を超えた前後の電圧・電流波形を記録することが可能です。
• 測定はギャップレスで⾏い、最短2秒間隔で記録することが可能です。（2秒、5秒、1分より選択できます）
• 測定データはコンパクトフラッシュカードに記録し、パソコンでのデータ解析が可能です。
  測定器⽤電源配線が不要です。（消費電⼒が6VA以下のため、電圧測定端⼦から電源取得可能です）

構成

　多機能型データロガー本体／計器用測定クリップ付コード／専用クランプ式CT（定格AC5A、AC30A、AC120A、AC250Aの4種類）／コンパクトフラッシュカード（1GB）／収納用キャリングバック／防雨ケース

主な仕様

本体寸法	縦：65mm　横：130mm　厚さ：50mm　（質量：280g）
適応電気方式	単相2線式、単相3線式、三相3線式（50Hz/60Hz共用）
測定電圧	AC70V〜250V（実効値）
適用周波数	50Hz、60Hz
定格電流	5A、30A、120A、250A（クランプ式CTの交換により対応）
測定精度	電圧測定精度：±０.５％　電流測定精度：±３％ 電力量精度：有効電力量±２％　無効電力量±３％
記録項目	有効電力量・無効電力量（順潮流と逆潮流に分けて測定） 線間電圧：V12、V32、V31（　〃　） 相電流　：I1、I3　　　　 （　〃　） 力率（進み・遅れ符号付） （　〃　） 高調波・波形記録 （高調波電圧・電流・電力を測定、総合高調波ひずみ率を算出、1次〜13次までを解析。 電圧・電流の波形を記録間隔毎に最初の2周期分記録） 停電・復電時刻 トリガ波形（しきい値を超えると前後合計10周期分の電圧・電流波形記録） フリッカ（測定方式：△ V10 方式） 周波数
記録方法	コンパクトフラッシュカード　1GBを標準付属（最大32GBまで使用可能）
記録間隔	２秒　５秒　１分の中から選択
最大記録期間	2秒間隔で約13日間（1GBカード使用時）

【使用方法】

• 「クランプ式CT」と「計器⽤測定クリップ」を接続します。
• 装置本体にメモリーカード（コンパクトフラッシュカード）を挿入し測定を開始します。
• 測定終了後、カードを抜き取り、パソコンにカードを挿入し、計測データ処理（データの解析）を行います。