電力計とは?

誘導形電力量計の動作原理

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電力量計ってなんだろう?

電力量計の原理(誘導形電力量計の動作原理)

誘導形電力量計の動作原理

誘導形電力量計の計量機構は、アルミ製回転円板を挟む、電圧コイルの磁心と電流コイルの磁心ならびに制動磁石と、回転円板の軸からウォームギアを介し駆動される計量装置からなる。

正確な計量のために次の調整装置と補償装置が組み込まれている。

重負荷調整装置: 制動磁石の位置または磁気分路の磁気抵抗の調整
軽負荷調整装置: 電圧、電流コイル磁心の間の短絡環または鉄片の調整
位相調整装置: コイル電圧と電圧コイル磁束の位相差の調整
不平衡調整装置: 複数の動作素子間の駆動トルクの調整
補償装置: 重負荷補償 電流磁束の制動作用の補償
軽負荷補償 軽負荷時の駆動トルクの補償
位相補償 電圧、電流コイル磁心の間の位相角の補償
電圧補償 電圧磁束の制動作用の補償
温度補償 磁路の透磁率、電圧コイルの抵抗の補償

回転円板に発生する回転磁界は、円板を貫く磁束の移動により発生し、1/4周期ごとの動きを下図に示す。

電圧コイルに発生する磁束は、コイルのインダクタンスが大きいため電圧位相より90°遅れる。上図の配置にある磁極にこの90°の位相差の磁束が存在するとき磁極間に回転磁界が発生する。

回転円板の駆動トルクは、

  • 電流磁束による渦電流と電圧磁束φpとの間のトルクと、電圧磁束による渦電流と電流磁束φc との間のトルクの合成で回転トルクはφc→ φp sin Φ→ - φc となり、このトルクDは、
    D = K1 φc φp sin ψ となる。

    ここで、ψは:φc とφp の位相角である。
    φc は電流と同相で電圧・電流の位相差をφとすると、
    φp が電圧より90°遅れていることから、ψ= 90° - φ となる。
    K1 は:円板の電気電導度、厚さ、磁極の幾何学形状による定数である。

  • 電圧磁束、電流磁束は、各々電圧 E と電流 I に比例することから、トルクDは、
    D= K1 E I sin(90-φ) となる。
  • 回転円板の回転に伴う制動磁石の制動トルクTは、回転数をN とするとT = K2 N となる。
    ここで、K2は:円板の電気電導度、 厚さ、制動磁石の幾何学形状による定数である。
  • 駆動トルクと制動トルクが、回転数 N で D= Tでつり合うとすると、
    K1 E I sin(90-φ)= K2 N から
    N = ( K1 / K2 ) E I sin(90-φ)= K E I cosφ と
    回転円板の回転数 N は、電圧、電流、力率の積、すなわち回路の有効電力に比例する。

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