電力計とは?

電力量計の歴史

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電力量計ってなんだろう?

電力量計の歴史

電力量計の揺籃期

エジソンのクローム計

最初の電力量計らしき物は、1872年(明治5年)Samuel Gardiner により電流の通っていた時間を積算する計器が発明されている。この計器は、使用する電球などのそのワット数が既知の場合しか使用することができなかった。その後、Lane Fox により回路に流れる電流を水の量として計り、負荷電流量の積を計測する計器が開発された。

1881年(明治14年)には、Thomas Alva Edisonによりアンペア・アワーメーターである亜鉛の電気分解量を計測するエジソンのクローム計が製作された。我国においても明治37〜38年頃まで直流回路の電力量計(直流電動機型計器:整流子型/1888年(明治21年)Elhu Thomson 、水銀電動機型/Hookham および Ferranti により発明)の代用として使用されていた模様である。

交流回路用の計器は、1885年 Ferrarisが交流回路の測定に回転磁界の応用に成功し、現在でも使用されているアルミ円板を回転させる誘導形計器が発明された。1888年Borel Paccaudにより誘導形計器(アンペア・アワーメーターと称した)が製作された。

Shallenbergerの誘導形アンペア・アワーメータ Gutmannのシリンダー型計器

ワット・アワーメーターとしては、1897年(明治20年)ウエスチングハウス電気会社が製作した。その後、米国においてはGE社を除くすべての計器製造会社は、Nicora Teslaの特許の関係から1910年12月まで誘導形電力量計の製造中止が強制された。

我国における誘導形電力量計の歴史

C-6型電力量計

我国においては、電気事業の創設と同時、明治43年(1910年)公正を期すため電気測定法が制定された。型式検定第1号は1911年(明治44年)型式第1号計器(GE製C-6型)が承認され、以降、イギリス、 ドイツ、スイスから外国製品が輸入された。

国産計器は、1914年(大正3年)10月、共立電機電線会社製A型が型式承認されたが、製作個数は見本程度であった。同年12月に型式承認された日本電気会社製ZACI 型が売り出されたもののその数は100台 程度で、電力量計のほとんどが輸入品であった。

I-3型電力量計

東京電気では、GE製計器の輸入部品組立てから全部品の国産化を進め、1924年(大正13年)には国内設計のI-3 型純国産計器を完成させた。

当時の需要の大部分が一定燭光に夜間のみ供給する夜間定額制で、従量制の電力量計(当時:積算電力計)の必要性は低く群小電気会社が自ら輸入していた。

第1次世界大戦後の輸入再開で外国メーカはダンピングによる日本市場への食い込みをはかった結果、海外メーカも国内メーカも共倒れ、国内メーカは東京電気、芦田工業所、三菱電機、富士電機4社のみとなった。

昭和10年(1935年)我国の電灯普及率はスイスについで2位に至っても、80%が定額需要家であったが、はじめて国産計器の生産量が輸入計器を上回った。

第2次世界大戦後の昭和22〜25年にかけ、軍需産業から平和産業への転換で12社が新たに型式申請し計器市場に参入したが、まだ小さな市場での競争激化と品質に対する技術力で、シェアを確保した東芝、三菱電機、富士電機、大崎電気、東光精機(旧芦田工業)の5社が生き残った。

品質への要求は、使用材料の厳選・高磁束磁石の採用・計器乗数の低減・電流鉄心への磁気分路を設けるなど、過負荷特性が改良された。さらに従来屋内に取付けられていた電力量計を屋外に取付ける要求が高まり、温度補償が改善されるとともに耐候構造が採用され、現在に至っている。

昭和26年(1951年)に至り従量制が需要家口数の過半数を占め、1960年代の家庭電化の普及から電力量計の生産が需要に追付かなくなった。

昭和43年(1968年)JIS改定後、地方電力会社は自社の電力量計需要をまかなうため、電力量計を生産する子会社の東北計器工業、中部精機、キュ−キ(旧九州電機製造)を設立した。この結果、我国の電力量計メーカーは8社となった。

電子式電力量計の歴史

昭和40年代、電子式電力量計への各種乗算方式が提案され、完全な電子式としてダイオードアレイによる二乗近似回路方式(和差二乗方式)と現在の方式である時分割方式による、表示部を持たない電力量計が完成された。

昭和50年代に入ると、計量法の規制を受けない管理用電力量計として機械式計量装置をパルスモータで駆動する時分割方式の電子式電力量計が実用化された。その後、計量装置の表示に液晶表示が採用され 現在の電子式電力量計の形態が定着してきた。

電子式電力量計が取引計器として実用がされたのは、昭和63年の契約電力500kW以下の需要家を対象 とした実量値契約制度用の複合計器(有効計量、無効計量、力率計量、最大需要電力計量)である。

低圧用としては、時間帯別電灯契約用に時間帯別の複数の計量表示部を持つ電子式電力量計が平成2年に導入された。

[ 参考文献:福田正輔 著 積算電力計ハンドブック 1956年、 電気学会 編 技術創造 1999年]


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